自分のレンズに映るヒト。


ボクは美容師として、生きています。


「モシャは美容師になるんでしょ?」
中学生の頃、教室で、そう声をかけられたことを記憶しています。

あ、モシャってのはボクの中学生の頃のニックネームで(笑)

彼はいつも女子と仲良くしてて、きっと上手に女子の話を聴くのが上手で、良き相手になっているんだろう。同じクラスになった時、良くみんなを笑わせてるのを覚えてます。

薄ぼんやりと教室の雰囲気と、当時少し太っていた同級生を思い出しました。


おれは至って元気です。
その時々によって、むくんだり、髪の毛が抜けたり、太ったり、痩せたり・・・本当に様々です。

そして根本的には変わってません。
昔のデブっちょで、のろまで、おしゃべりで、ミーハーで、変わり者の(つまり核となる)部分は同じです。
ただ、何かいつの間にか時間だけ過ぎた感じです。
小中野のおれのあのだだっ広い家も老朽化が進み、遠くない未来にすべて解体して、庭木は残し、市にでも寄付して公園にでもする、なんて話もチラホラ出てきています。街中に持っているビルも手放すそうです。
永遠に続くものなんてないんですね。
永遠に続くもの。
それがあるとしたら、明日への不安と、そして明日への期待ではないでしょうか。
後者が前者を上回っている限り、おれは時間には区切りをつけたくないと考えています。ステージⅣは、あくまでも病気の区切りであり、おれの人生の区切りではありません。

くそ喰らえです。

ある日の友人の言葉をボクは忘れないように、大切に保存しました。





忘れないように。消えないように。


約2年ほど、彼の闘病を友人達は見守ってきました。故郷から遠く離れるボクは、SNSで記される頑張っている友人の言葉しか知る術がありませんでしたが、近く、親しい友人達が、彼の元へ訪れたりしている報せを微笑ましく見ていました。





彼の訃報を聞いた時、保存していた彼の言葉を改めて見ました。
それは圧倒的な生命力に溢れる言葉でした。

明日への不安と、明日へ期待。前者よりも後者のほうが上回っている・・・すごく前向きで深い言葉だと。


だから明日へ行けるボクは、ボクらは、
生きて、楽しまなきゃいけない。
好きな仕事をして、沢山の人を喜ばせるよ。これからもなにかにチャレンジしていくと。


沢山の時間をボクは彼と過ごしたわけではないけど、自分の目に、レンズに映して。
その時間、空間にいたことを忘れないように。


ボクはこれからも生きていく。美容師として、人として。




20年を経てつながり、彼はボクが書いたブログに、励ましを何度となく書いてくれました。

ボクが美容師としてした仕事を褒めてくれました。

ボクはそれを忘れずに仕事をしたいと思います。


モシャは優しい美容師さんって、伝わってくるよ。



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