美容師になるということは...

以前通って下さっていたお客様が久しぶりに来てくださいました。
ま、それまではどこかに行かれてたのでしょうけど、それはお客様のライフスタイルに合わせて美容室を選べばいいだけの話ですので、例えば色んな所を転々としてるお客様だったり、ちょっと浮気してどっか違う所に行ったりなど、割と仕方ないでしょ。と思ってるスタンスです。


ま、ただやはり自分の場所に戻って来てくださったり、というのは光栄な事ですし、なによりその時こそ、以前の自分より技術的にも接客的にも成長していたいものです。


元々家族ぐるみで来て下さるお客様でしたし、そのお子さんたちは今でもずっと通って来てくれています。

「ウチの子はなんか色々と喋ってるみたいで...変なこと言ってないですか?あの子?」

なんて聞かれたりして、逆に美容師に話して、親には語れないことを聞いていたりするもんですし、なんなら彼氏彼女が出来た話だったり、親への文句だったり(笑)
結構内緒な話知ってますよ。ボクらw


やっかいなご近所づきあいのことも、旦那さんへの愚痴も、子育ての悩みも、家族の嬉しいニュースも、この間デートでやらかしたことも...

美容室ってその地域の人たちを受け止めてる職業だなあ。と久しぶりに来たお客様と会話をしながらそんなことを感じていました。


先日もちょっとご紹介したのですが、美容師と盲目の少女とのストーリーを映画にした「ちょき」という作品で、美容師役をやった俳優の吉沢悠さんがインタビューで、とても素敵な言葉を答えていて、感銘を受けました。実に俳優らしいというか、俳優さんの視点だから出た言葉に思えます。

“美容師は、どんな土地でもその土地の人と向き合い、その人を受け入れて仕事をしていると思うと、街にとって、とても大切な存在なんだなと思えます。”

「美容師になるということは、その土地の人間になること。」


子供の頃から担当している子が成人したり、親子3代のお客様がいたり、一人の女性から母親になったり...たくさんの人と向き合う楽しくも、難しい職業だと。
その為に人間として深く深くなっていないと。



ふと久しぶりにいらしたお客様を迎えることが出来る。それもまた、その土地の人間にならなければ出来ない事だと、そんなことを思わせてくれた一日でした。

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