ある老舗BAR閉店に思うこと。


浦和の駅近、老舗BAR WAITS。閉店という報せがボクのところに舞い込んで来ました。(公式に5/29までと発表になりました。)

約20年近く、浦和の、まだそんなに飲食店がさほど賑やかでない頃から、街の路地裏で沢山のお客様の喉を潤し、癒しの一杯を出し続けたお店が閉店ということで。

まだ、サービス業、そして美容師として駆け出しの駆け出し。20歳くらいの頃に、背伸びした若者の一人としてあのドアを開けたのを覚えています。
酒の飲み方も知らない田舎者を、あたたかく迎えてくれる雰囲気でいつの間にか居着いていた気がします。
都市開発による区画整理など、事前情報は聞いていましたが、思い出のあるお店が閉まるというのは当然ながらそれなりに寂しさがあるものです。






報せを知ってすぐ、Twitterに書き込むと、色んな方からリプライ、反響がありました。


まだ公式にお店側が発表していませんでしたけど、書き込みました。何故か?


いち利用者として、同じく利用している、もしくは利用したことのある人たちに知って欲しかったから。



長年、その場所にあり続けたお店には、沢山の人が来て、流れて。
ものすごく沢山の時間や、思いがあるんだと。


「閉店するまでに必ず行くよ。」「行きたいんだけどいつまでかな?」「WAITS閉店ってホントですか?」


メールやTwitterを通じて、問い合わせしてくる友人や知人たちに返信をしながら、その時そう感じました。


実はもうその範疇はお店側、スタッフや経営しているサイドからは離れていて、
お客様がつくりあげているお店への思いがあるんだなと。愛していくんだと。
歴史あるお店は、沢山の人の歴史にもなるんだなあと。



そして自分も、こういった接客業、そしてサービス業としてお店に経営参加している身として、そんなふうに愛されてること、そしてもし自分がハサミを置く時、惜しまれるような存在になりたいなあと思いました。


長年、人が関わり続けた場所には、人は勝手に思いを埋めてく。
それはスタッフも含め、お客様も全て。そう思ってinstagramに書きました。



“この写真は5年前、2011.3.11の夜に撮ったもの。

とあるBARで撮られたあの日の夜の写真。
家族の連絡を待ちながら、独りで時間を過ごす事が出来ず、このBARに足を向けました。


客席には確か、ボクと常連客の方がポツポツ。沢山の日本人が不安な夜に、自分にとって落ち着く場所に自然に立ち寄ったんだなあと記憶しています。


大人の憧れで20歳くらいで足を踏み入れたこのBARが、今月末で閉店だと聞いた。
BARっていう場所は不思議な場所で、カウンターの横並びになれば、他人なのだけれども他人でなくなる。


BARでのむ人、BARで会った人という縁でつながる場所。
様々な人に会ったような、でもそうでもないような、BARならではの空間がある。


この場所でいろんなひとを見た。沢山の人の思いが埋ってるだろう。

自分でもいろんな時間や思い、笑いやため息を埋めた。

そこはもう掘り起こせない宝箱のような場所になる。


最期に。その宝箱に、BAR WAITSに。
感謝を埋めに行こうと思う。 ”




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