いつもこの時季に。


モスコミュールを注文した時にちょうどEaglesの「desperado」という曲が流れてきて思わず、ある親しい友人の顔が浮かんで、周りに気づかれない程度に少しニヤけてしまった。
その友人は若くして亡くなってしまったのだけれど学生時代から悪さして遊んだものだった。


DJブースのあるボクの部屋でレコードをかけたりして酒やタバコをのんで馬鹿話をしたものだ。
そういえば彼が突然、「使わないから」と言って自分の大きい、当時中々お値打ちなスピーカーをボクにくれた事があった。大きい良質な音が自分の部屋で出せる喜びを覚えている。


今思えばボクがDJをやったり、それを通じて友人が増えたり、音楽にのめり込んで行ったのは彼のお陰だろう。


そんな頃当時の流行りのhiphopやR&Bなんかを聞き飽きはじめたボクが部屋で親のレコードを引っ張り出して「desperado」を流したのを覚えている。
Eaglesではなくて、誰かのカバーだったかもしれないが、あの哀愁漂うメロディー。歌詞も解らす聴いていた。
昔のSSWやrock,Soulを聴く事が、ちょっとオトナな気分にさせた。いわば背伸びをしていたのだろう。


そのオトナに背伸びをしていたボクらがお互いBarなんぞに行きはじめた21、2そこそこの頃、
「辛口のモスコミュールの美味い店があるんだ。」
と言いあった時があって、今思えば笑ってしまう。


辛口のモスコミュールなんてBarじゃ珍しくないだろうに、いわばオレの通ってる店自慢。
いや、Barに通ってるカッコつけだったのだと思うと少し恥ずかしい。
お互い普段はビールや日本酒しか飲まないガキんちょの背伸びだったのだなあと...
そのモスコミュールを口にしてふと思った。


ボクが年老いて、いわゆるその時がきて、彼の元にいける事になったら「desperado」の入ったレコードと生姜が漬け込まれたウォッカとか、ボクが美味しいと思う「辛口のモスコミュール」が作れるレシピを揃えて持っていこう。
そして久々に馬鹿話をしながら飲みたいものだ。




彼はそのモスコミュールを美味いと言ってくれるだろうか。

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