これから起こりうる...いや、もう起きているという話。
『これからカットとカラーで〇:〇〇までに仕上げて欲しいんですけど、大丈夫ですか?』
お客様からこんな予約のTELが当日にありました。
ま、もちろんよくある話なんですが、特に主婦のお客様でしたので、パッと空いた時間で。子供が幼稚園、学校から帰って来ないうちに...
残念ながらと申しますか、ありがたい事にと言いますか、そのお客様のお仕上がり時間の希望に添える予約の空き時間がボクにはありませんでした。ですから結果的にはお断り、又後日改めてご予約。となったわけですけども。
どうしてもスケジュール上、ご希望の仕上がり時間よりは超えてしまう状況でした。
制限時間があるお客様に関しては、その時間を超えてしまう事がもっともタブーだと思っています。むしろ髪の毛の仕上がりよりも時間が重要な事の場合もありますからね。
こういった状況、あるあるだと思いますが、我々美容師はサービス業。お客様のご希望はなるだけ叶えたい。
もちろんそれは大前提にある上での判断ですし、当然ながらスタッフ、お店の規模、ほかのお客様の状況によって変わって来ますよね。
・サービス業界は今まで通りのサービスが出来なくなってくる。特に提供スピードに関して。
漠然と今回のことで、(まあこういうのは前からというか、いくらでもある事例なんですが)
日本のサービス業に対するお客様の意識は非常に高いなあと感じる部分と、そのギャップがどんどん開いていってるよなあと感じました。
・美容師をはじめ、接客、飲食などのサービス業界。今現実的に超難問題に悩まされています。
それは...人。人がいません。人材がいない、というレベルでなく、入ってくる人が少ない。働きたがる人が少ない。美容室なんかどこでも人は募集中。万年募集中です。でも来ない。
職業的価値という問題もありますけども、特に美容師は下積みも長いですしね、憧れの職業トップだった頃と比べて、縮小しております。
少子化、人口がそもそも減っているって国ですから当然と言えば当然かも知れません。
そう、サービス業の現場において、人がいない→お客様1人に対するスタッフの数が減る→数が減るから、以前よりも待たせたりとサービス提供の質が落ちる。
つまり、質の高いサービスをスピーディかつ無駄なく受けたいお客様側と、質を高めたサービスをスピーディに提供したいが、以前よりも環境が変わってきていてなかなか実現が出来ない提供側のギャップが生まれてきているなあ。と感じています。
「今日は忙しいのね。」
なんて言ってくださって、もちろんご理解あるお客様の方が圧倒的にいますけどね。
人の手が関わる仕事はどんどん状況が変わっていく...
病院、お医者さんに行って、途方もなく、いつ来るかわからない自分の番をひたすら待った経験ありますよね?需要と供給バランスはどうなんでしょ。
もちろん風邪をひくのは予約しとけませんから、内科や、小児科で予約管理なんて難しいですけどもね(笑)
それでも時は金なり。なるだけ待たずに、とか、時間を無駄にしたくないという心理はあるはず。
美容師のような職業、サービス業もこれから人が減っていけば、需要と供給のバランスが崩れていきます。
もしかしたら今の小児科や、婦人科病院のように延々と待たされてしまう時が来るかも...
もちろん我々の業界には予約があります。今ではSNS経由で、ネットで24時間取れる予約。などなどはるかに予約に関してハードルが下がりましたよね。もっともっと効率よくお客様が利用出来る、しやすくなる手段や、方法も増えていくし、そういった業界の努力もある。
今回うちのような件でいえば、時間制限があるような場合、かなり前もってご予約頂かないと対応出来ない事が多くなるかも...いやもうすでに起きています。スタッフが充実している大型店はもっと数が無くなるでしょう。日本の美容室の9割が3,4人以下の中小店舗です。
「昔は美容室なんて予約もなしに行っても、パッとやってくれたもんよ。」なんて言葉が過去のものになってしまうかも...
と、まあ業界としても課題と努力はし続ける問題もはらみつつの今回の記事なんですが、
少しサービス業を利用するお客様の意識も変わって行ってもらわないとな...という牽制球のような、いやまだ軽いキャッチボール程度の球は投げてみた所です。
サービス業に従事されてる方は感じてる事がおありかもしれませんね。では。
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